渡辺コラム

【がん】消化管の切除について思うこと(食道、胃、腸)

がんのご相談を受けている中で思うことがありましたので、少し書かせてもらいます。食道がん、胃がん、大腸がん、などを患い消化管を切除する場合がありますが、そのような消化管を切除された患者さんたちの話から感じたことです。

まず胃がんについてですが、胃は食物を受け止め、胃酸や酵素で食物を消化したものを少しずつ腸の方へ送る臓器です。切除後は消化力が大幅に弱くなりますので、切除後は少しずつ食事を摂らなければならないようになりません。美味しいご飯をがっつけなくなり、食事の時間が長くなって大変ではありますが、それなりに普通の生活ができながら長く生きている方も多いという印象です。

大腸がんは、がんができた場所によっては人工肛門にしなければならないケースがあります。人工肛門にするということは自尊心が傷つき精神的にとてもつらいものですが、それを受け入れることができればある程度普通の生活をやっていけるように思います。

最も気になっているのは食道の切除です。食道の一部を切り取ったあと胃や腸を引き上げて繋ぎ合わせる手術が行われる場合があります。この手術をされた方の中には、食事後に嘔吐やつっかえ感に襲われ、精神的にも肉体的にもとても苦しそうにしている様子があります。あまり食べられないことが原因でどんどん衰弱していく姿もありました。

その人の人生はその人のものです。どのような治療を望まれるのも自由なのですが、その手術によって体がどうなるのか、どのような機能が損なわれるのか、長く生きれば苦しい日々でも良いのか、よく考えて後悔のない選択をしていただきたいなと思っています。

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