渡辺コラム

人は菌と共生することで健康を保っている。

菌に善も悪もない

生きている人にとって都合のいい菌を善玉菌、その反対を悪玉菌と人はいいますが、本当のところは菌に善も悪もありません。

悪玉菌は病原性があるので、人を病気にすることがあります。老化などでとても弱くなった人では命がとられることがあります。この点だけ見れば確かに悪玉ですが、命を失った体を分解し土へと還すのも彼らの仕事です。彼らが命を分解していかなければ世の中死骸だらけになってしまいます。そして彼らが分解したものを養分としてまた新しい命が生まれてきます。彼らがいるから食物連鎖が完成するのです。

このように、悪玉菌は地球をキレイする掃除役を担っているのです。生きてる人にとっては恐いけど、地球にとってはなくてはならない存在なのです。

善玉菌は人間の健康に欠かせない

生きている人にとって都合が良いのが善玉菌。体が免疫を働かせて殺そうとしない菌は全て善玉菌だと思ってもいいでしょう。善玉菌は皮膚にも腸にもびっしりついています。目には見えませんがびっしりついてます。

善玉菌がびっしりついているほどに、悪玉菌が体に入る余地がなくなります。善玉菌はいるだけでバリアとなり、体を守ってくれているのです。皮膚でも腸でもそうです。

それに、善玉菌は人間には作れない栄養素を作り、人に供給してくれます。これが人間の健康には欠かせません。人の免疫力も高まります。
彼らは人が食べたものに依存して生きていますから、まさに共存なのです。

作り上げられた「菌=汚い」という印象

そんな大切な菌を今無差別に殺してしまっている現状があります。除菌殺菌ブームで、何かあれば消毒消毒。共存菌によるバリアは24時間365日効果があるのに、一瞬しか効果のない消毒でそのバリアに穴をあけていっているのです。

この自爆と言うべき除菌殺菌ブームですが、もともとはテレビのCMなどの影響が大きいところです。「まな板やお風呂場、口の中には、こんなに気持ちの悪い菌がうじゃうじゃいるんでるよ。気持ち悪いですよね。除菌しましょう。ほらスッキリきれいで気持ちいいですよね」というCMはインパクトがあり、人は勤しんで除菌に務めるようになってしまいました。

メーカーとしては、菌の存在は本当だし、役者さんに「イヤー!」と言わせただけ、キレイですっきりしてるのは本当、と言えば済むことですので、消費者側が賢くならなければなりません。

抗生物質の弊害

また、腸内の菌をたくさん殺すと言えば抗生物質です。抗生物質をたくさん使う人ほど、体調を崩しやすいことは分かっています。特に幼少期に抗生物質を使い過ぎると、のちに全身性エリテマトーデスやクローン病などの自己免疫疾患になる確率が上がることが分かっています。潰瘍性大腸炎のリスクも高まります。
※最近になって抗生物質の乱用が問題視され、処方されることが減っています。

これは腸の善玉菌の不足によって腸管免疫が崩されることが原因です。腸の善玉菌がびっしりついていることは人の免疫にも大きく関わっているのです。

体が戦おうとしない菌は仲間のなのです。

バリア効果・菌にしか作れない栄養素の補給・免疫の正常化など、菌はとてもとても人の健康にとって大切な存在なのです。むやみやたらに除菌して、自ら病気を呼び寄せないようにしましょう。

テレビCMや雑誌の情報を見ると、全て良いように感じてしまいますた、メーカーは売れるようにCMを作りますので悪いことは言いません。自分で調べる癖をつけましょう。どんなものでも良い面と悪い面があると思っておきましょう。

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