渡辺コラム

ステロイドが良いのか悪いのか?

先日、ステロイドをやめ、そのリバウンドに苦しむものの、1年以上経つと皮膚が奇麗なったという事例がテレビで放送されていました。

一つの真実として受け止めれば良い。
としか僕は思わないのですが、その放送に対して批判がそこそこあったそうです。

こんなもの流して真似する奴が出てきたらどうするんだ!
患者を標準治療から遠ざけるな!
皮膚炎が悪化して黄色ブドウ球菌に感染したらどうするんだ!

こんな感じなのは僕も目にしました。

標準治療から遠ざけるな!ってのはご都合感がありますが、黄色ブドウ球菌に感染することはあります。

ただステロイドによって免疫抑制された状態にあるからこそ余計に黄色ブドウ球菌に感染しやすくなるという面もありますから、脱ステばかり悪く言うのではなく、そもそものステロイドのリスクにもちゃんと目を向けなければフェアじゃないと思います。

それはさておき、ステロイドが良い薬か?悪い薬か?と聞かれれば、どちらでもないと答えます。一番相応しいのは「すごい薬」だと思います。

実際、アトピー歴のある僕自身使ったことありますが、ステロイドを塗った翌朝には劇的に炎症が引いていました。
以前は保険薬局をやっていましたので、リウマチなどのツラい腫れが劇的に改善したのも目にしてきました。

ステロイドはすごいんです!

でも中にはステロイドを使っていても満足いくほどの改善が無い人もいます。それで長期にステロイドを使っていくことになるわけですが、その長期的に使ったステロイドをやめた時にはリバウンド(反跳反応)が起こる場合があるのです。

薬によって抑えていたものが反発し、以前と同等か以前よりも悪化するという反応です。これがとても大変なのですが、そもそもステロイドを使っていたからこそ起こる困難ですから、脱ステを責めるのではなく、根本的解決になっていない薬を漫然と使っていたことを反省しなければなりません。

ステロイドはすごい薬です。ステロイドに救われたという人はたくさんいます。
しかし、合う合わないがあり、使い方を間違うと大変なことになるのです。必要でないときは使わない方が良いので、お医者さんでもステロイドの内服についてはかなり慎重になります。

薬にですから効果と副作用があって当たり前です。
ステロイドは良いか悪いかではなく、薬の原点に戻って、必要に応じて必要なだけ使うという感覚を持っておきましょう。

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