渡辺コラム

人生の転機(社会人岡山編)

薬学部に進み、順調に4年まで来た僕。
そろそろ決めなければならない進路。

親から「大学院は?」と言われたのですが、僕は研究があまりおもしろい
と思っていなかったので、​勉強するなら漢方がいいなと思い、漢方薬局への
就職を希望しました。

​僕が所属していた研究室のY教授が生薬学のO教授に相談してくださり、
​薬局を2~3とツムラを紹介してもらいました。

​その内の1つが地元岡山県だったので、秋に訪問させてもらいました。

古い建物を改装して使っていた店舗で、その古さが漢方薬局らしさを
際立たせていました。
​漂ってくる漢方薬の匂いは、匂うけど嫌にならない独特な匂いでした。

​店主のH先生は、型に捕らわれない柔軟なアイデアがどんどん出てくる方で、
いろいろとお話を聞かせていただくうちに、この先生は夢を応援して
くれる人だ!と感じ、
ここで勤めることを即決しました。

その後、H先生の下にいて共感し尊敬したのは思想です。

​古きを尊びつつも新しい
利益を失っても自分らしく生きる

​という感じでしょうか。

​その自分らしく生きておられるH先生の姿勢は今でも変わらず、
​僕は勇気をいただいています。

​この年の薬剤師国家試験は3月末に実施され、2日後には初出勤という
日程でした。
​(1週間早くすると東大の卒業式と重なるので、3月末になったという
​ うわさがありましたが…)

​試験が終わり、インターネットに出る解答速報を見て自己採点。
​大丈夫そうだったので、意気揚々と4月を迎えることができたのですが、
国家試験よりも社会人としての日々の方が遥かに大変なものでした。

​僕はバイト経験も乏しく、仕事場での礼儀や臨機応変な対応を全く
知らない上に、学生気分もなかなか抜けず、​知らず知らずに失礼な
振る舞いをしていたのでした。

当時は何が悪いのかが分からない。
悶々とする日々。
周りからすると問題児。

​漢方薬局では研修生の色もあり、生活費を稼ぐために薬剤師免許が
届いた6月頃から他社の薬局にアルバイトへ行きました。

最初に行ったL薬局では、免許が届いて間もない僕に、初日から全部
の投薬させるメチャクチャな店長に当たり、勤めて早々に患者さんから
いろいろなクレームをもらいました。

S薬局では、僕が個人の携帯電話を失くして、会社の電話を勝手に
使って携帯会社に連絡を取っているところを見つかり、きつく怒られました。

​H薬局では、患者さんが混みあってきたのに指示通りに薬を作っていたら、
「状況を見て動け!そんなこといつでもできる!」と3つ年上の先輩
に叱られました。

​礼儀知らずで、言われたことしかできない。ミスも多い。
​誰かに一言かけておく。ということができない。
そんな出来ないっぷり全開の1年目。
誰のミスであろうと、僕が原因ではないかと疑われるほどの散々な
ものでした。

さらに愕然としたのは、H薬局で同じ社会人1年目の女性薬剤師に糖 尿病患者への指導についてのマニュアルを教わった時のことです。

​すごく整った分かりやすい説明で、この時点ですごいなと思ったの
​ですが、彼女が最後に言ってくれた言葉がこうです。

「この通りにして注意されたら、私にそう教えられたって言えばいいからね

同じ1年目なのに、この人は​自分より遥かに仕事ができて、さらに自分が
注意されてもいいという強さと他者を気遣う心がある。

​圧倒的に自分は遅れている、、、

それでも、なんだかんだで3年目を迎えるころやっと人並みになり、
漢方薬局支店の先輩が辞めたのをきっかけに店長に就任することになりました。

​散々だった日々は強く心に残り、教えてもらったことがいつの間にか
身についていました。
​店長を務めた間、少し難しい患者さんもいましたが、それなりに人間
関係を作ることもでき、僕が辞めるときに患者さんが流してくれた涙の
おかげで散々だった日々が報われました。

丸4年が経ったとき、僕はその漢方薬局を退社しました。

​前々から、国際中医専門委員A級という認定試験に合格を区切りに
卒業を考えているとH先生には伝えており、いつからか芽生えた開業の
ために次のステップへ進みたいと思っていたからです。

​次のステップに選んだ場所は、4年目の秋にH先生から
「渡辺さん、こんなお店があるんらしいで。この記事読んでみ。
 今度の(漢方の)定例会にこの人来るから」
と教えてもらったド真剣接客で名を挙げていた滋賀県のN店長のお店でした。

​N店長と出会ったときにいろいろ話をしてみたい!

​と思い、その定例会の前に電話を入れた僕なのでした。

僕「そちらでスタッフは募集されていませんか?転職を考えているのですが、
N店長が岡山に来られた時にお話しできませんか?」

このことによって一波乱も二波乱もある人生を迎えていくことなど知らずに、、、

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