渡辺コラム

腸内細菌叢(そう)は健康に必須!

乳幼児がいろんなものを口に入れたり舐めたりする様子ってありますよね。乳幼児のほとんどがやります。人間に備わった本能なのです。細菌を体に取り入れ、腸内細菌叢(そう)を作るためです。5歳になる頃には完成します。腸壁には人と共生できる細菌がびっしりとつきます。

その細菌たちは人の食べた物を栄養にして生きます。人は細菌にしか作れない栄養素をもらいます。持ちつ持たれつの関係になるのです。

また、腸のパイエル板と呼ばれる場所に有用菌がいることでも免疫力がアップすることが知られていますし、腸壁に有用菌がびっしりついていることによるバリア効果で病原菌をガードしてくれます。

腸内細菌叢は5歳になる頃には完成するのが普通なのですが、それまでに抗生物質を飲み過ぎたり、清潔な環境に居すぎると、不完全な腸内細菌叢になってしまいます。すると、免疫力が低下して感染症になりやすかったり、自己免疫疾患になりやすいことが知られていますので、子供がいろんなものを口に入れてしまうのをあまり止めないようにしましょう。喉に詰めてしまうようなものは気を付けて下さい。

一番良いのは土に触れることです。土に歯たくさんの菌がいます。少し手についた土を舐めたり、土埃りを吸い込んだりすることで多くの菌をとり入れることができます。土は家の中にあるオモチャなどのように喉に詰める心配もありません。

時には病原菌を取り入れてしまうことがあるでしょうが、少し感染症を起こすことも長い目で見れば良いことです。免疫の訓練ができるからです。免疫には記憶力があります。抗体を作って同じ病原菌が入ってきたときにすぐに対応できるようにします。おたふくや風疹や麻疹に罹ると基本的には二度と感染しないことも有名ですよね。免疫は使うことでレベルが高くなるのです。

除菌殺菌が流行っている現代社会ですが、子供たちの腸内細菌叢はちゃんと形成できているのでしょうか?病原菌と戦う機会が減っているの免疫は活動的ではなくなっているかもしれません。将来が少し不安に思えます。

腸内細菌叢の重要性や負荷を与えて鍛えることの重要性を見直していきましょう。

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